【設定のウラ側公開】ショウタイムセブン パンフレットで明かされた関係者の知られざる経歴

Last Updated on 2025年2月12日 by フカミ

阿部寛主演の『ショウタイムセブン』:パンフレットで公開された作品設定のウラ側を紹介!作品を深く楽しむための主要登場人物の裏設定から犯人の素顔、そして映画内で使用された小道具「生放送台本」。劇中の疑問解消に必見の内容紹介!

2025年公開の阿部寛の新作映画『ショウタイムセブン』、「徹底した作りこみによる、リアリティが生み出すエンタテイメント性」、「日本の社会課題をとりあげた硬派な内容」、そしてそれを演じる「阿部寛をはじめとした俳優陣」によるインパクトのある作品でした。

この徹底した作りこみとリアリティは、パンフレットにも及んでいます。正直、ここまで本気のパンフレットはあまり見た記憶がありません。この記事では、パンフレットのすごいところを紹介していきます。

特に、『ショウタイムセブン』パンフレットで公開されたウラ側設定は:

  • 「緊急生放送タイムライン」
  • 「ショウタイム7」番組関係者たちの知られざる経歴
  • 生放送台本

これらを知ることで、映画『ショウタイムセブン』をもっと深く楽しむことができると思います。

ただし実際に映画をご覧いただいて、その後にパンフレットを読んでいただいた方が作品を楽しめると思います。ネタバレしない程度に魅力的な点を紹介していきます。

まずは作品の簡単なあらすじと感想から始めていきます。

 

阿部寛の2025年新作映画『ショウタイムセブン』簡単なあらすじと感想

テレビキャスターからラジオパーソナリティに左遷された折本(阿部寛)に発電所爆破の予告電話が。いたずらとして取り合わず、結果として爆発発生。そこから折本と犯人の生中継TVショウが開始というあらすじです。

個人的におもしろかった点は:

  • 上映時間98分間がほぼリアルタイム進行。まるでキアヌ・リーブスの「スピード」前半のような緊迫感。長回しの撮影で息を抜く暇もない緊張感をもつ作品です。
  • 登場するTVクルーも実際のTVクルー。舞台セットも360°撮影可能な本気の造りこみ。
  • 犯人とのやり取りは言葉だけ。当然、折本の武器はほぼ言葉のみ。
  • 冒頭から注意して観ていると、後半への伏線がしっかり隠れています。登場人物やプロットに無駄や隙がありません。
  • 良い意味での緊張感が続きます。上映時間も98分なので、観客が持続できる適切な長さ。
  • しっかり日本の政財界・ジャーナリズムの問題点を提起しています。これは誠に時宜を得ている内容。(韓国映画『テロ、ライブ』のリメイクですが、日本向けにアレンジ済み)。

そしてパンフレット。上映開始10分前に購入したので、読まずに鑑賞。これが大正解でした。ネタバレ要素がありますので、読まなくて本当に良かったです。そして造りこみがすごい。こんな本気度を感じさせるパンフレット見たことありません。

次のセクションでは、この製作陣の本気度を注入されたパンフレットについて解説していきます。まずは、一番の注目ポイントである見どころから紹介していきます。

【設定のウラ側公開?】ショウタイムセブン パンフレット

【設定のウラ側を公開】ショウタイムセブン パンフレットの見どころ:緊急生放送タイムライン、番組関係者たちの知られざる経歴、生放送台本

まずは、このパンフレットのみどころ、「ネタバレ厳禁! 緊迫の<ショウタイム>の裏」を紹介していきます。製作陣の本気度はパンフレットにもあふれんばかりに注入されていました。鑑賞後に読めば、作品をもっと深く楽しめます。

 

  1. 緊急生放送タイムライン

事件発生から、折本と犯人との折衝、次第に明らかにされていく真実、関係者の行動や反応などが詳細に記述されています。このパンフレットの中で最も”上映前に読んではいけないページ”です。

正直、このパンフレットを上映前に開かなくてよかったです。例えば、事件のタイムラインなんてうっかり目に入ってしまったら、作品の楽しみが減ってしまいますから。しかもパンフの真ん中くらいにこのコーナーがあるので、最も見開いてしまう場所です。まるで製作陣から観客に向けた爆弾のようです。

 

  1. 「ショウタイム7」番組関係者たちの知られざる経歴

ここでは主要登場人物の裏設定を知ることができます。

折本眞之輔(阿部寛):1973年、新潟県生まれ、学生時代は学園祭などでリーダーシップを発揮。ゼミのOBから放送局NJBを推薦され入社。そして3.11東日本大震災を契機として報道分野に転向などの経歴を紹介。

他にも安積征哉 (竜星涼)、結城千晴 (生見愛瑠)、伊東さくら (井川遥)、東海林剛史 (吉田鋼太郎)の人物設定が詳細に説明されています。

登場人物のリアリティをここでも追及しているので、登場人物たちがリアルに存在しているかのような迫力と臨場感を生み出しています。

加えて実際に映画を観ているだけでは、わからない部分、例えばキャスターの結城は折本を嫌悪しているかのような反応を見せます。これを読むことで、なぜそうなったのかがわかりました。

そして犯人の繁藤寛二 (錦戸亮)の経歴も詳細に紹介されています。

劇中に明かされる犯人の経歴は、月1万円の電気代にも困る建設会社勤務、発破技師の資格、父が大和電力の事故で死亡したことくらいです。正直、ここまで緻密な犯行計画を練る能力があるとは思えない経歴です。これが鑑賞直後の率直な印象でした。でも裏設定を読むことで、繁藤の犯行能力に納得がいきました。

 

  1. 生放送台本

これは事件が起きなければ、番組「ショウタイムセブン」で使用していた生放送台本です。

これは公式動画「映画『ショウタイムセブン』スタジオツアー特別映像【2月7日(金)全国公開!】の冒頭で紹介されていた台本です。台本というものを見るのは初めてですが、トピックの順番、スタッフの分刻みの役割やナレーションなど、実際の現場の雰囲気を味わうことができる内容です。映画小道具を体験できるのは、作品を深く楽しませる要素です。

 

このような従来の映画作品にはない、裏設定の紹介、小道具の盛り込みなど、『ショウタイムセブン』のパンフレットには魅力的な作りこみがされています。

もちろん基本的な情報もおさえていますので、次のセクションではパンフレットの全体像から始めていきます。

 

『ショウタイムセブン』パンフレットの基本情報と見どころ

阿部寛主演の新作映画『ショウタイムセブン』のパンフレットについて、基本情報と見どころをまとめました。

基本情報

  • 価格:990円
  • 発売開始:2025年2月7日(映画公開日)
  • 販売場所:全国の上映劇場
  • 仕様:特殊コーティング加工(指紋が付きやすいけれど、きれいでしっかりした仕様)

内容

  • 阿部寛・竜星涼・生見愛瑠・井川遥・吉田鋼太郎・錦戸亮らのキャストのインタビュー収録
  • 渡辺一貴監督による制作秘話、
  • 『ショウタイムセブン』の裏設定
  • 音楽担当の照井順政氏のインタビュー
  • カメオ出演のPerfumeのインタビュー
  • 制作の舞台裏を紹介するプロダクションノート掲載

パンフレットのみどころ

  • 『ショウタイムセブン』の裏設定:これが通常の映画パンフレットとの最大の違い。事件のタイムライン、人物相関図、事件関係者の経歴、生放送台本を読めば、鑑賞後もさらに映画を楽しめる。

わたしがパンフレットを購入したのは、上映開始10分前。読まずに鑑賞したのですが、これが大正解。ネタバレ要素があるので、読まなくて本当に良かった。そして造りこみがすごい。事件関係者の裏設定や番組「ショウタイムセブン」の生放送台本まで入っています。鑑賞後に読むことで、映画を再度楽しめることうけあいです。こんな本気度を感じさせるパンフレットは見たことありません。

次のセクションでは、パンフレットに収録された主要キャストのインタビューを紹介します。

 

『ショウタイムセブン』主要キャストインタビュー

パンフレット冒頭にはあらすじがあるのですが、その次には、 阿部寛・竜星涼・生見愛瑠・井川遥・吉田鋼太郎・錦戸亮ら、主要キャストのインタビューが収録されています。テロの生放送ライブや長回し撮影など、特徴ある作品での役作りや工夫について語られています。今回は、折本眞之輔(キャスター)役の阿部寛さんと繫藤寛二(犯人) 役の錦戸亮さんのインタビューを紹介します。

 

阿部寛(キャスター 折本眞之輔 役):

  • キャスター役は初挑戦なので、自らのステージをあげるためにオファーを受諾
  • キャスターらしい役作りを心がけた。30代に受けたアナウンサー学校の経験も活かした
  • カメラが2種類あるので、意識の仕方が通常撮影と異なった。ニュース番組のクルーのカメラと映画撮影用のカメラの2種類があるので、難しさを感じることもあった
  • 一回10分以上の長回し(連続)撮影のため、舞台のように十分なリハーサルを実行
  • 犯人と電話のみで交渉を行う設定:犯人が目の前におらず、声のみでのやり取りを演じるのが、最初は戸惑った。

錦戸亮(犯人 繫藤寛二 役):

  • 番組中盤まで声だけの役、いままで受けたことない役柄に面白みを感じてオファーを受けた
  • 声だけの演技、目の前に相手がいない演技は、最初は難しかった
  • 他の出演者とは別々のブースで声だけで演じた
  • 折本の映像を見ながら演じたので、実際の繁藤の目線のようだった

他にも竜星涼・生見愛瑠・井川遥・吉田鋼太郎らのインタビューが収録されています。

98分の上映時間で、ほぼリアルタイム進行。まるで事件を目の当たりにしているかのような緊迫感をわたしは感じました。その裏には、登場人物たちの設定を舞台設定にまで持ち込んで、リアリティを生んでいたのですね。

またその設定で演じ切った、阿部さんと錦戸さんの挑戦と困難の克服が実を結んで、この作品が真に迫る迫力を生んだのだと思います。やはり徹底した作りこみは作品に命を吹き込むと感じました。

次のセクションでは、徹底した作りこみを行った渡辺一貴監督が語る映画製作の舞台裏に迫ります。

 

渡辺一貴監督が語る映画製作の舞台裏

渡辺一貴監督も『ショウタイムセブン』の製作秘話について語ってくれています。舞台設定が生放送番組『ショウタイムセブン』なため、臨場感の追求のために、ずっと90-120分のワンカット撮影を本気で検討していたなど、無茶だけど監督の本気が伝わるインタビューです。

 

撮影手法とリアリティの追求

  • 生放送番組の臨場感を出すため、数か月は「生でやろう」、90-120分のワンカット撮影を本気で考えていた
  • ワンカット撮影はさすがに無理なので、10分以上の長回しシーンを多用。
  • 実際のテレビ局スタッフをエキストラとして起用し、本物の放送現場の動きを再現
  • 事件発生日は4月1日。冒頭の渋谷の映像は監督自身が4月1日に撮影することでリアリティを追求

キャストとの関係性

  • 錦戸亮さんの声質を活かした犯人の声の演出、それに応じた阿部寛さんの演技の相互作用を意識。
  • 犯人役の電話シーンは、通常の録音ではなく実際に現場で生の会話を収録
  • NGが出ると最初から撮り直す、厳しい撮影スタイルを採用
  • 長回し撮影のため、念入りにリハーサルを実施
  • ラスト付近の折本のセリフを阿部寛の意見を採用
  • 白熱したセリフの応酬の中に意図的に奇妙な間を作り、不安感を演出

ここまで書いてきて、思い浮かんだのは、渡辺監督の映画『岸部露伴 ルーブルに行く』(2023)の岸部露伴の名セリフです。

「リアリティだよ!リアリティこそが作品に生命を吹き込むエネルギーであり、リアリティこそがエンターテイメントなのさ」

この荒木飛呂彦原作のジョジョの奇妙な冒険 第4部に登場する岸部露伴は、自身の漫画作品にリアリティを徹底追及するキャラです。このキャラを地でいっているかのような徹底したリアリティの追求っぷりです。きっと荒木作品の影響を監督も受けているのではないかとわたしは感じました。

しかしリアリティを追求する監督と一緒に仕事をするキャストもスタッフも同じ熱量を持っていないと大変でしょうね。

次は、この作品のエンディング曲を歌うPerfumeのカメオ出演について紹介していきます。

 

Perfumeが語るカメオ出演の裏側

テロ事件で犯人が逮捕され、エンディング曲に入ります。ここでPerfumeの3人がカメオ出演して、「Human Factory -電造人間-」を歌いながら、映画のエンドテロップが流れます。

その体験をPerfumeメンバー(西脇綾香、樫野有香、大本彩乃)が語ってくれています。

印象的なエピソード:

  • 音楽番組というよりもリテイクのあるMVを撮っている感覚
  • リアルな事件を安全な場所から他人事として眺めているという不思議な違和感を感じてもらいたい

音楽担当の照井順政の音楽制作への思いも語られています。

確かに超大事件がリアルタイムで起こった直後に流れる曲としては、かなり不思議な雰囲気の音楽です。これがまさに「事件を安全なところから他人事のように眺めている」を感じさせるエンディング曲になっています。

これはラストで折本が視聴者に向けて、「安全なところから眺めている視聴者に向けて発した警鐘」とも被ります。この映画が単なるエンタテイメントではなく、現実に起きている政財界とジャーナリズムの腐敗への警鐘を鳴らす社会派ドラマの一面を表していると考えます。

 

プロダクションノート:原作映画『テロ、ライブ』のリメイク権獲得から日本向けアレンジとリアリティの追求

ここでは映画完成に至るいきさつが語られています。

  • 原作映画『テロ、ライブ』のシナリオは、テロの生ライブ配信だが、ラジオ局内での物語展開が、『ショウタイムセブン』と異なる点
  • 日本向けアレンジの承諾を受けて、テレビ生放送、犯人の指摘する社会問題を日本特有の視聴率至上主義や報道倫理への問題提起。「情報とは何か」「正義とは何か」を問いかける内容にアレンジ。
  • 主演俳優との何回にもわたる打合せを経て、作品を良いものに仕上げていった。
  • スタジオセットの徹底的な作り込み:都内のスタジオに本物のニュース番組セットを完全再現
  • 番組の進行表やクリップ、メモ帳などのNJBの備品にも細部にこだわり

2013年公開の韓国映画『テロ、ライブ』のリメイクなので、どのように日本向けにアレンジされているのか、楽しみでした。日本では、SNS全盛とはいえ、実際にはTVの社会的影響力はまだまだ大きいと思います。原作のラジオ局からテレビ局に舞台設定の変更、ジャーナリズムの正義とは何かを問いかける内容など、今の日本の課題に真正面から取り組んだアレンジだと感じました。

 

まとめ

この作品は、冒頭から注意して観ていると、後半への伏線がしっかり隠れています。登場人物やプロットに無駄や隙がありません。実際、冒頭からキャスターが「公正かつ公平な姿勢で真実に迫ります」と番組が開始します。きっとこのセリフは後でいきてくるのだろうなと考えていたら、作品テーマそのものに関わるものでした。

そのような『ショウタイムセブン』のパンフレットの魅力について解説してきました。

  • 『ショウタイムセブン』主要キャストインタビュー:出演者の作品への思い
  • 渡辺一貴監督が語る映画製作の舞台裏:リアリティをいかにして生み出すのか
  • パンフレットの最大の見どころ『ショウタイムセブン』の裏設定:作品をもっと楽しむ要素
  • Perfumeが語るカメオ出演の裏側
  • プロダクションノート:原作映画『テロ、ライブ』のリメイク権獲得から日本向けアレンジとリアリティの追求

この作品は、徹底した作りこみによるリアリティが作品に緊張感を生み出し、エンタテイメント性を高めています。同時に日本の時事問題も取り上げる硬派な一面を持ちます。この作品世界を一層深く楽しむために、パンフレットは必読のアイテムだとわたしは考えます。

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