『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』映画評価 PM10の教え

映画「フライ・ミー・トゥザ・ムーン」はロマンチックコメディですが、見方を変えれば
”人類初の月面着陸を達成するプロジェクトマネジメント”のお仕事映画ともとらえることができます。
本作品からプロジェクトマネージャーに役立つポイントを10個にまとめました。映画のストーリーや登場人物の行動を、ご自分のプロジェクトに置き換えてみると気付きが得られるかもしれません。以下に私のプロジェクトマネージャーとしての経験を交えながら、映画から学べる教訓を紹介します。

『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』 キャストとあらすじ

まずは別記事でもまとめましたが、ストーリのおさらいです。この映画は1969年のアポロ11号の月面着陸を背景に、もしもNASAが月面着陸を偽装するための映像を撮影していたら、というフィクションを描いています。映画は、アポロ11号の月面着陸が実際には行われなかったというウワサを織り交ぜながら、スカーレット・ヨハンソン演じるPRマーケティングのプロであるケリーとチャニング・テイタム演じる発射責任者、コール、Fake映像の撮影を命じる謎多き政府関係者モー(ウディ・ハレルソン)の3人が中心となって物語が展開します。

物語の舞台である1969年。ケネディ大統領が今後10年以内に人間を月に着陸させ、安全に地球に帰還させるという目標の達成に我が国民が取り組むべきと確信しています。」と表明してから8年が経過しています。

この時点で計画は達成できておらず、国民の関心も薄れ、予算も削られてきています。ケリーはNASAの名誉を守るために奮闘し、予算と注目が集まるロケット打ち上げを盛り上げるためにプロモーションの手腕を発揮します。”人類初の月面着陸”というを栄誉をネタにスポンサーを集めたり、宇宙飛行士に似せた俳優を起用したりして、計画のプロモーションに大活躍します。

実直な発射責任者のコールはこれに反発を覚えますが、政府の方針なのでしぶしぶ従います。手段は違えど、発射成功への目的を共にするケリーとコールは徐々にひかれあい始めます。

そこへモー(ウディ・ハレルソン)から月面着陸が不成功に終わった場合の保険として、偽の月面着陸シーンの撮影を命じられます。これを秘密裏に進めざるを得なくなったケリーが実直なコールに対して心理的な葛藤を抱きます。最後に向かって、実際の映像を全世界に流すのか、Fakeで全世界をだますのか、一気に話が進んでいきます。

『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』 プロジェクトにおける創造的な問題解決と柔軟性

映画では、NASAが直面する困難な状況を打破するために、ケリーが従来にない斬新なPR戦略や予算確保策を展開します。これは、プロジェクトマネージャーにとって、困難な状況に対して創造的な解決策を見出すことの重要性を示しています。私自身も、プロジェクトが行き詰まった際には、チームメンバーとブレインストーミングを行い、新しい視点やアイデアを取り入れることで問題を解決してきました。

『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』 プロジェクトメンバーのチームワークと多様性の価値

ケリーとコールが異なる背景や価値観を持ちながらも協力して目標に向かって働く姿は、多様な視点や専門知識を持つ人々が協力することで、より大きな成果を上げられることを示しています。実際、目標は同じとしていながらも、メンバー同士の立場の違いから考えにギャップが生まれることは頻発します。プロジェクトマネージャーとして、私は常にチームメンバーの多様性を尊重し、各メンバーの強みを最大限に活かすよう努めてきました。

『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』 プロジェクトにおける目標達成のための倫理と目的のバランス

ケリーが直面する「月面着陸のフェイク映像を撮影する」というミッションは、倫理的なジレンマを提示しています。これは、プロジェクトマネージャーとしても、目的達成のために手段を選ばない姿勢と、倫理的な行動のバランスを取ることの難しさと重要性を示しています。私自身も、プロジェクトの進行中に倫理的な判断を迫られる場面がありましたが、常に透明性と誠実さを持って対応することを心がけています。長期的な視点でみると、安易な妥協よりも誠実な対応が最終的に身を結ぶことを私は実感してきました。

『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』 プロジェクトの進捗と障害からの学びと成長

アポロ計画の失敗や困難は、最終的な成功へのステップとなっています。プロジェクトマネージャーとしても、失敗や挫折は避けられませんが、それらから学び、成長する機会として捉えることが大切です。私の経験では、失敗を恐れずに挑戦し、失敗から得た教訓を次のプロジェクトに活かすことで、より強力なチームとプロジェクトを築いてきました。またチームメンバーと支えあうことで、ともすれば孤独になることもあるプロジェクトマネジメントを進めることができることを私は体験してきました。

『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』 プロジェクトチームメンバーの情熱と献身の力

コールの真摯な姿勢や、ケリーの仕事への情熱は、大きな目標を達成するための原動力となっています。プロジェクトマネージャーとしても、自分の信念や目標に対する情熱と献身は、成功への重要な要素です。私も、プロジェクトの成功に向けて情熱を持ち続け、チームメンバーにもその情熱を伝えることで、一体感を持ってプロジェクトに取り組むように努めてきました。

『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』 プロジェクト推進にあたり適応力の重要性

ケリーのPR戦略や、予期せぬ事態への対応は、状況に応じて柔軟に対応することの重要性を示しています。プロジェクトマネージャーとしても、計画通りにいかないことは多々ありますが、状況に適応し、新たな方法を見出す能力が重要です。私のキャリアでも、計画変更や予期せぬトラブルに直面した際には、迅速に対応し、柔軟に戦略を変更することでプロジェクトを成功に導いてきました。もちろんチームメンバーとの方向性の調整が重要なのは言うまでもありません。

『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』 プロジェクトチーム内での効果的なコミュニケーションの力

ケリーのPR戦略の成功は、効果的なコミュニケーションの重要性を示しています。プロジェクトマネージャーとしても、自分のアイデアや価値を適切に伝える能力は、個人的にも職業的にも大きな資産となります。私も、チーム内外でのコミュニケーションを重視し、情報共有や意見交換を積極的に行うことで、プロジェクトの円滑な進行を図るように努めてきました。

『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』 プロジェクトゴールに向けた夢の追求とビジョンの共有

アポロ計画自体が人類の夢の実現を目指すものであり、映画はその過程を描いています。これは、大きな夢を持ち、それに向かって努力することの価値を示しています。プロジェクトマネージャーとしても、チーム全体が共通のビジョンを持ち、それに向かって努力することが重要です。私も、プロジェクトの初期段階でビジョンを明確にし、チームメンバーと共有することで、一体感を持ってプロジェクトを進めてきました。

『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』 プロジェクトにおける真実と虚構の境界を見極める力

映画のプロットは、真実と虚構の境界線について考えさせます。現代社会においても、情報の真偽を見極める能力が重要であることを示唆しています。プロジェクトマネージャーとしても、正確な情報を収集し、判断する能力が求められます。私も、プロジェクトの進行中に得られる情報を慎重に評価し、信頼性の高い情報に基づいて意思決定を行うことを心がけています。

『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』 プロジェクトにおける予期せぬ結果への対応とリスク管理

映画のエンディングは人によっては予想外のものかもしれません。プロジェクトマネージャーとしても、予期せぬ結果や展開に直面することがありますが、それらを受け入れ、適切に対応する能力が重要です。私も、プロジェクトのリスクを事前に評価し、リスク管理計画を策定することで、予期せぬ事態に迅速に対応できるよう備えています。

まとめ

映画「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」から学べる教訓は、プロジェクトマネージャーにとって非常に有益です。創造的な問題解決、チームワーク、倫理と目的のバランス、逆境からの学び、情熱と献身、適応力、効果的なコミュニケーション、夢の追求、真実と虚構の見極め、そしてリスク管理といった要素は、プロジェクトの成功に不可欠です。
この映画からの教訓を実践することで、プロジェクトマネージャーとしてのスキルを向上させ、より効果的なプロジェクト運営の参考になると思います。

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