『モアナと伝説の海2』マウイがなぜスマホを知っている? 謎セリフを徹底考察

Last Updated on 2025年2月5日 by フカミ

『モアナと伝説の海2』でのマウイの「スマホ」発言。この謎セリフを徹底考察。シーンの解説とそれにつながるマウイのキャラクター考察。このセリフを「メタジョーク」と「未来視能力」の二つの観点から考察していきます。

「モアナと伝説の海2」でのマウイの「スマホ」発言、さらに「2000年後にはわかるさ」発言に驚いた方もいらっしゃると思います。古代ポリネシアを舞台とする作品に現代テクノロジー用語のセリフ。正直、わたしも一瞬聞き間違いかと思いました。ここでは、このセリフを考察していきます。

この記事のポイントは次の通りです。

  • 「スマホ」発言シーンの解説
  • 発言につながるマウイのキャラクター解説
  • メタジョークとしての「スマホ」発言の考察
  • マウイの未来予知能力としての「スマホ」発言の考察

これらの解説・考察を通じて、マウイの謎発言を深掘りしていきます。

 

『モアナと伝説の海2』マウイの謎セリフ「スマホ」・「2000年後にわかるさ」の背景を解説

映画『モアナと伝説の海2』では、半神マウイが「スマホ (英語版では、バットダイアル(butt-dial)」について言及し、「2000年後には意味がわかる」という謎セリフを発します。正直この発言に戸惑われた方も多いと思います。だって2000年前のポリネシアが舞台の作品でスマホのテクノロジーが出てくるなんてどう考えても場違いですからね。 でもこの発言に含まれる意味や背景を考察して行ってみたら面白いものが見えてきました。

 

スマホ発言のシーン

  • スマホ発言は、マタンギの二枚貝から、モアナがモトゥフェトゥ島の海域につながるポータルを開けて脱出したシーンの後に出ます。ここから海の怪物が襲ってくるまでの、ほっと一息つくシーンです。
  • モアナが星を羅針盤として、祖先の導きでモトゥフェトゥ島に行く意思を示します。それに対してマウイが、「単にお尻のポケットにいれたスマホで間違ってボタンを押してしまったのと同じかもしれないぞ」という趣旨の発言をします。当然、モアナ達(正確にはロト)はスマホの概念を知らないので理解できない表情をします。マウイはそれを気にせず、「心配するな、2000年後には意味がわかる」と冗談めかして言います。

この発言から見ても、いかにもいたずら好きなマウイのキャラクターがよく現れていると感じました。 さらに2000年後という具体的な数字は 加わっているので余計に気になってしまう発言です。 

でも、マウイは、モアナたちが間違った情報を受け取って、それを信じているだけかもしれない可能性を考えているとも見えます。実際 この発言が意味するものは単なるジョークなのか、何かを示唆しているのか気になりますね 。

このセリフから考えられるのは、「観客へのメタジョーク」または「マウイの未来予知能力」だと思います。次のセクションでは、いくつかの仮説を考えていきたいと思います。

*英語版の「バットダイアル(butt dial)」についての補足:
スマホをポケットやバッグに入れたまま、無意識に誤って発信してしまい、受信者は背景音や周囲の会話を聞くことになることを指します。この言葉は、「butt(尻)」と「dial(ダイヤルする)」を組み合わせた造語です。

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『モアナ2』マウイがスマホをなぜ知っている?:理由とは?未来予知かジョークか

ここでは、『モアナ2』では、半神マウイの「スマホ」・「2000年後には意味がわかる」というセリフについて、いくつかの仮説を考えていきたいと思います。例えば、メタ的ジョーク、未来予知の可能性といったものが考えられます。

まずは「メタジョーク」説と「未来予知能力」説の二つを表で整理しました。

比較項目 メタジョーク 未来予知能力
根拠 ・ディズニー映画では観客に向けた「メタ的なウィンク」がよく使われる。
・前作でも「ツイート」発言など現代的なジョークが登場。
・ ポリネシア神話でマウイは時間や自然現象に干渉する力を持つ。
・ 「2000年後」という具体的な数字が未来視を示唆。
映画内での描写 ・ マウイが「バットダイアル」と発言し、一瞬カメラ(観客)を見るような仕草をする。
・ キャラクターと観客を直接つなげる「第四の壁」を破る演出。
・ 「ポータル」など時空間を超える要素が登場。
・ マウイのタトゥーや釣り針が神話的能力を象徴している。
ポリネシア神話との関連性 ・ 直接的な関連性は薄いが、トリックスターとしての性格は神話に由来している。 ・ マウイが太陽を遅らせた逸話など、時間に干渉する力が描かれている。
・ 預言者的存在との関連性も示唆される。
観客への影響 ・ 観客に笑いと驚きを提供し、大人も楽しめるユーモアとして機能。 ・ マウイのキャラクターに神秘性を加え、続編への期待感を高める可能性。
弱点・課題 ・ 一部の観客には時代設定とのギャップが違和感として受け取られる可能性あり。 ・ 映画内で未来視能力について明確な説明がなく、あくまで仮説の域を出ない。

 

  1. 作品自体をネタにしたメタジョーク

  マウイのスマホ発言は観客へのメタジョーク 、つまり 作品自体を笑いのネタにして観客との距離を近づける狙いかもしれません。『モアナ2』では、古代ポリネシアを舞台に現代要素を挿入して、大人も楽しめるユーモアを狙ったのかもしれません。

実際、マウイがこのセリフを言う際、一瞬カメラ(つまり観客)を見つめるような仕草をします。この演出は、キャラと観客を直接つなげる「第四の壁」を破る瞬間として解釈できると思います。

なお、同じようなジョークとして、前作の「モアナ と伝説の海」でもマウイは 「ツイート(Tweet )」発言をしています。マウイのいたずら好きなトリックスターキャラを生かしたセリフですね。 なお この手のジョークはディズニー映画ではよく見られる手法です。

 

  1. 未来予知能力の可能性

ポリネシア神話におけるマウイは、時間や自然現象に干渉する力を持つ半神です。太陽の動きを遅らせたり、島々を海から引き上げたりするエピソードが有名です。これはマウイのタトゥーにも表現されていますね。

このような力の一つとして、彼が未来を予知する能力を持つ可能性も考えられます。「スマホ」発言は、彼が未来の断片的なビジョンを垣間見た結果であるという解釈も成り立ちます。

また、『モアナ2』では空間を超えるポータル(マタンギの二枚貝からモトゥフェトゥ島の海域をつなぐワープ空間)が登場し、時空間を歪曲してつなげるものと考えると、未來視や未来予知能力があってもおかしくないと考えられます。

 

  1. 伏線としての可能性

映画内では このシーンはまもなく海の怪物に襲われるシーンに切り替わります。 マウイの未来視能力についてはそれ以上の説明はありません。しかしこのセリフは、 モアナ が半神半人として登場するであろう続編で何か繋がる可能性もあります。時空間をつなげるポータル概念が、今作で現れてたので今後の作品で何か活かされるのかもしれません。

次のセクションでは この発言をしたマウイのキャラクターをポリネシア神話を含めながら焦点を当てていきたいと思います。

 

ポリネシア神話と未来予知:マウイのキャラクター性とその背景

映画『モアナと伝説の海2』では、物語中盤に、半神半人のマウイが「スマホ」という現代用語と「2000年後には意味がわかる」という謎セリフを発します。これに疑問を感じた観客も多くいると思います。この謎セリフを考察する前に、発言者のマウイのキャラクターやポリネシア神話の背景を考察していきたいと思います。

 

「モアナと伝説の海」シリーズでのマウイ:

ポリネシア神話を組み入れた「モアナと伝説の海」では、マウイは数多くの超自然的な能力を持つ半神半人です。その中には、時間や自然現象に干渉する能力も含まれています。

  • 年齢は5000歳(推定)
  • マウイの性格:陽気で自信家、でも憎めない性格。「スマホ」の発言も、現代的なジョークで、観客を喜ばせる意図とも解釈できます。
  • ポリネシア神話では、「文明英雄」であり、人間に「火」や「島々」その他をもたらした存在
  • これらの偉業は、彼のタトゥーに現れている
  • 太陽に干渉した能力: マウイは太陽の動きを遅らせ、一日の長さを調整したとされています。このエピソードを拡大解釈すると、彼が時間そのものに影響を与える力を持つとも考えられます
  • 半神半人の能力の一つ:マウイは、母に捨てられ、神々に拾われて半神半人になりました。この細かい経緯は、まだ語られていません。もしかしたら能力の一つとして未来視または未来予知能力があるのかもしれません。ただし半神なので、未来を視る力は断片的。だから「2000年後にはわかる」というあいまいなセリフになっている可能性。

 

ポリネシア神話における預言者的存在との関連

それでは、上記の特徴以外に、実際のポリネシア神話ではマウイに未来を予知する能力は描かれているのでしょうか。

  • タヒチでは、「預言者マウイ」という人物の伝承あり
  • ただしこの人物は半神マウイとは異なる存在
  • 予言能力を持っていたとの伝承。例えば、「外洋からアウトリガーなしのカヌー(西洋船)が来る」という予言をしたとされます。

このエピソードはマウイという名前が未来予知的な能力と結びついていることを示しています。「モアナと伝説の海2」は、広大なポリネシアの島々に伝わる神話・伝承を参考にしているので、この「預言者マウイ」の伝承も世界観に組み込まれたのかもしれませんね。

以上のような、マウイのキャラクターや伝承を観てきました。次のセクションでは、「スマホ」発言のメタジョークという仮説を深掘りしていきます。

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メタジョークとしての「スマホ発言」:観客へのメッセージとは

映画『モアナと伝説の海2』での、マウイの「スマホ」・「2000年後には意味がわかる」というセリフを、観客へのメタジョークととらえることができます。このジョークの意味やメッセージを考察していきます。

  • 観客と作品をつながるメタジョーク
    ディズニー映画では、観客と作品を結ぶ、メタジョークがしばしば使われます。モアナ2での「スマホ」発言もその一例です。2000年前のポリネシアが舞台ですが、この現代的なセリフは観客に向けた直接的なジョークとして機能していると考えられます。
    実際、マウイがこのセリフを言う際、一瞬カメラ(つまり観客)を見つめるような仕草をします。この演出は、キャラと観客を直接つなげる「第四の壁」を破る瞬間として解釈できると思います。
  • 前作との連続した性質のジョーク性
    前作『モアナと伝説の海』でも、マウイは「ツイート(tweet)」という現代的なジョークを披露しています。これは彼のトリックスター的な性格や自由奔放さを強調しています。この流れを受け継ぎ、『モアナ2』でも同様のユーモアが展開されていると考えてよいと思います。

なお、わかりやすいディズニーのメタジョークとして、アナ雪2 序盤でのオラフの「サマンサ」発言です。この場合は、ジョークシーンが比較的長かったので、わかりやすかったですが、モアナ2のスマホ発言は、ほぼ一瞬でさりげなかったので、「スマホって、なんのこと?」と感じた観客も多かったのではないかと推察しています。まあ、マウイのいたずら好きな性格を知っていれば、またなんか冗談を言っているのだろうと思いましたけれど。

ここまでは、マウイのスマホ発言のメタジョーク仮説を考察しました。次のセクションでは、マウイの予知能力仮説を深掘りしていきます。このセリフとポリネシア神話や未来視能力との関連についてさらに詳しく掘り下げていきます。果たしてディズニーはどこまで深い意図を込めているのでしょうか?

 

『モアナと伝説の海2』マウイのスマホ発言は伏線?映画内で示唆される未来視のヒント

ここではマウイの「スマホ」発言を未来視能力の表れと考えて考察していきます。それとも物語に深く関わる伏線なのかを探ってみましょう。

モアナ作品やポリネシア神話から考える、「スマホ」発言と未来予知の可能について表にまとめました。:

要素 内容 解説・関連性
太陽を遅らせた力 マウイは太陽の動きを遅らせ、時間の流れをゆっくりさせた伝承を持つ。 時間に干渉する力を持つとされ、この能力が未来視の可能性につながると解釈できる。
半神半人 神々に拾われて半神となり、神にも等しい能力を持つ。ただしその力は断片的である可能性がある。 「2000年後にはわかる」というセリフの曖昧さは、未来視が完全ではないことを示唆している可能性がある。
「預言者マウイ」の伝承 ポリネシア神話には、半神マウイとは別の「預言者マウイ」という存在が登場する。 この人物は未来予知の力を持ち、「外洋からアウトリガーなしのカヌー(西洋船)が来る」と予言したとされる。
モロカイ島とカフナ モロカイ島は「カフナ(預言者)の島」と呼ばれ、預言者が巡礼者や移住者にアドバイスをしていた。 預言者的な力がポリネシア文化で重要視されていたことを示し、マウイの未来視能力への関連性を暗示している可能性がある。
ポータルの存在 映画内で登場するポータルは空間だけでなく時間にも影響を与える可能性がある。 マウイがこのポータルを通じて未来の断片的なビジョンを得た結果、「スマホ」のような発言が生まれたと考えられる。

マウイ自身が直接的に未来を見る力を持つとは、作品で言及されていませんが、上記の点から彼の超自然的な能力やポリネシア神話、さらにトリックスター的特性から、「未来を見る断片的な能力」が隠されていてもおかしくはないと考えられます。

以上をまとめると、半身半人のマウイには、断片的でも未来を視る力があり、このジョークは、ジョークではなく、実際に何かのビジョンをみた結果なのかもしれません。

 

まとめ

ここまでマウイの「スマホ」・「2000年後にはわかるさ」発言の意味を考察してきました。

ポイントは

  • 観客と作品をつなぐメタジョークの可能性
  • マウイの隠された能力しての未来視の力

ここまでのモアナの2作品を見た段階では、前者のメタジョークの可能性が濃厚だと考えています。

しかしながら、続編まで考えると、マウイが何らかの未来視能力を持っている可能性も捨てきれません。理由は:

  • 2作品に渡って、古代ポリネシア文化を丁寧に描きながら、同時に時代背景を飛び越えたテクノロジー(スマホ)ジョークを盛り込んできている
  • 今作では空間を飛び越えるポータル(ワープ)概念まで出現
  • 深読みすれば、デミゴッドになったモアナは、マウイ(推定年齢5000歳)と同様に、時代を超えて生き続ける可能性
  • モアナは「過去と未来がつながる」体現者になる可能性

ここまでくると、続編では、時空を飛び越える展開もありえるかもと考えてしまいます。そうなるとマウイが未来を視る能力を表に出していないだけとも考えてしまいます。

クレジットを見る限り、ナロとの決着もついていませんし、続編を楽しみに待ちたいと思います。

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